【失敗は許されない】本物の結婚式を大学生がプロデュース!?
「キャンパス婚」という言葉をご存知だろうか。
これは2019年7月に兵庫県神戸市にある流通科学大学のキャンパス内で実際に行われた結婚式である。
この「キャンパス婚」は、同校のキャリアアップセミナーの一環として行われたもので、もともとは人間社会学部観光学科ホテル・ブライダルコースで「模擬結婚式」のプロデュース授業を行なっていた。
そこに「流科大のキャンパスはとてもきれいなので、ここで本物の結婚式ができるのではないか? 自分たちで創ってみたい!」と学生たちが発案して実現したものなのだ。
新郎新婦を一般公募
一般の方から募集したカップルに「キャンパス婚」という思い出をプロデュースするこの取り組み。
「ブライダルを通して本物のホスピタリティを発揮できる人に育てる」という想いが込められている。
「しあわせ」とは何か、「結婚式をする」根底にある意味など、本や机上の勉強では学びきれないたくさんのことを心で体で感じてください。
伝え合うこと、話し合うこと、お互いの信頼関係、責任を果たすこと、ブライダルの仕事の真髄を見ることができます。
流通科学大学HPより引用
このプロジェクトに応募してくれたのは結婚して1年半のお二人だった。
そうしてプロジェクトが本格始動。
学生たちが取り組むのは「本物」の結婚式。
学んで、考えて、カタチを創っていく
同年4月に始まったこのプロジェクト。
「最高のブライダル」を新郎新婦に届けるために学生たちは結婚式の歴史を学び、人前式についての知識を深め、キャンパス婚を1人1人が考え、ロケーションなどを選定。
当日の式をプロデュースするため、演出や装飾など自分たちのアイデアが本当に実現できるのか研鑽を重ねていった。
「失敗は許されない」だからこそ集まる人みんなが幸せになれるように
6月に入り、公募で選ばれたカップルと、学外のブライダルサロンで衣装やヘア・メイクアップ、進行などを打ち合わせ。
7月に入ってからは、自発的に授業外にも担当部署の班ごとに集合して細かい部分を詰めたり、リハーサルを何度も繰り返したり、熱のこもった準備が続いた。
この時の学生の姿を見て、新郎新婦は「学生さんたちが熱心に対応してくださるので、とても楽にリハーサルをすることができました。1週間後の式がとても楽しみです」と話してくれた。
迎える本番、緊張の時
そうして迎えた7月の本番当日。
バルーンアートやプロの演奏家によるピアノ・フルート・バイオリンの生演奏で、会場の雰囲気を華やかに演出。
約30分間の挙式は、参列者が結婚の証人になる『人前結婚式』
新郎新婦の入場から誓いの言葉、お互いへの手紙、結婚証明書の披露など、式は滞りなく進んでいくなか、学生たちの緊張は最高潮に。
なぜなら、リハーサルにはない〝新婦へのサプライズ演出〟なるものを組み込んでいたからだ。
それは「新郎が花束を渡しながら今一度新婦にプロポーズする」というもの。
内緒のサプライズ演出なためリハーサルができず、学生たちはドキドキしていた。
そんな中、新郎が花束を渡しプロポーズすると学生も参列者も感激し、会場中には笑顔が溢れていた。
式の後は、テラスや中庭で写真撮影。その移動中、最後まで無事にやり遂げることができた達成感と、極限の緊張から解放された安堵感から、涙を流す学生もいた。
お互いが贈りあった「プレゼント」
「キャンパス婚」をプロデュースする過程と体験を通して、机上の勉強では学びきれない『実学としてのブライダル』を体感することができた学生たち。
学生たちは新郎新婦へ「結婚式」というプレゼントを贈った。
そして新郎新婦は学生たちへ「経験」というプレゼントを贈った。
このお互いの「贈り合い」によって最高の結婚式『キャンパス婚』が実現した。
そして、このリアルな体験が、学生たち一人一人の目指す未来のための「灯り」になることだろう。
(UNPORTALISM編集部)
キャンパス婚ムービー