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【暴論人類学】コロナだけでない地球を取り巻く環境変化で我々が失うものと、得るもの:シエロ教授

今年に入ってから日本、世界は様々な危機にさらされている。新型コロナ禍。そして、日本や東アジアには異常気象が襲う。中国の大雨による洪水、水害、世界最大の三峡ダムの危険性が指摘されている。

そして日本でも九州豪雨、河川の氾濫。そして最近の猛暑などたくさんのニュースが溢れている。

お盆明けは「台風ラッシュ」が20以上も 気象予報士が指摘

観測史上初の7月台風発生0は、ミッドウェー海域が鍵(饒村曜) 

災害時に診療どう維持 九州豪雨で課題浮き彫り「業務継続計画」

球磨川の氾濫で「100年に1度」情報が洪水予報に反映されず。

「ダムなき治水」行方は 国と地元調整進まず 豪雨被害の球磨川水系

山形・最上川4カ所で氾濫 88棟浸水、2438人避難 住民ぼうぜん

また40度近くか 東京は猛暑日連続へ 熱中症に警戒続く いつまで暑い?

観測史上初や、何十年、何百年に一度の事がここ数年、毎年のように起こっている。このような事象を目の前にすると、想定外は起こりうると考えなければ、これらの災害には対処できないと思う。

社会の仕組みを見直す

日本の防災に関する予算は、数十兆円規模である。これには研究、予防、国土保全、災害復旧などが含まれる。


それでも、最近の異常気象による災害は、防げていないし、災害復旧費用も膨大なものになっている。
これには、民間の個人や企業、団体の被害、損害復旧の費用は含まれていない。

もし被害をほぼ防ぐような対策をしようすると、この予算の数倍でも足りないのではないかと思われる。

コロナ禍の対応でもよくいわれたパラダイムシフト。災害対策でも、今までとは全く違う視点での対策での検討は必要なのではないだろうか。

治水や災害に対するコストを考えると、この定住というライフスタイルを疑って社会の仕組みを再検討してもいいのではないか。

定住を考える

そこで根本を見直してみようと思う。あまりにも当たり前になっている定住というシステムについてである。
歴史を振り返ると、定住というシステムは人間のこれまでのライフスタイルに依存していると思われる。

人が増えて、国土を開発し、今まで人が住んでいなかったところに人が住むようになる。それは数十年や数百年に災害リスクのある土地が含まれる。

最近よく聞くのは、水害リスクは過去の地名で推論でき、津波のリスクは過去の歴史文献や、神社やお地蔵様の場所によりわかるというもの。
土地の立地により、これらの災害リスクが少なからずあるというのがわかるようだ。

発想を変えてみよう。住む場所によってリスクがあるなら、その場所に住み続けるということが理にかなっているのであろか。
この定住というスタイルが今本当に必須なのだろうかということだ。

定住の成り立ちと都市部

人類が定住するようになったという説の中には、人口の増加と、それに伴う移動手段の問題が理由というものがある。

人類の性質の中には、新天地を求める移動生活も特徴的であり、定住することも霊長類の特徴であるという。

定住と一緒に語られる農耕生活であるが、定住と農耕どっちが理由でどっちが結果なのであろうか。

人は定住することにより他の場所、対象による興味、好奇心が、その場所が将来どうなるかという未来に対することであったり、この場所がどうであったとか、先祖の墓や歴史、起源などの過去から未来への時間的好奇心に移るという説もある。

定住の利点には、社会的機能の充実の為という側面もある。都市への人の集中はこの為だろう。社会生活が便利、快適である為に人が集まり人口が集中する。

だがこの機能だけ考えると、移動に対する時間的距離が重要になってくる。
この場合、物理的距離とは実際の地図上での空間距離で、時間的距離とは、場所を移動する場合に移動に要する時間で距離を測るものになる。交通機関が発達していると物理的距離が離れていても時間的距離は短くなる。

都市部では設備、施設なども狭いエリアにあり、公共交通機関が発達している。物理的距離も、移動に対する時間的距離も近い。

例えば医療について考えると、この時間的距離が重要になる。普段からの高齢者医療など、移動手段の限られる高齢者になると、自ら運転する自家用車などが中心の地方では、自ら自家用車を運転できないと代替の交通機関が限られる為に、時間的距離は長くなる。これが時として生死を分けることになる。

これが、広域医療ネットワークなどで、受け入れ先の医療機関が確保され、医療ヘリのような移動手段が簡単低コストで運用できれば、これらの時間距離は短くなる。ITによる遠隔医療や医療用ドローンなども時間的距離を短くする。そうすれば都市部で無くてもデメリットは少なくなる。

これからは、日本全国の多様性を確保する仕組みが必要だ。

新たな社会の仕組みを検討

先ほども述べたが、数十年、数百年に一度為の治水や災害に対するコストを考えると、この定住というライフスタイルを疑って社会の仕組みを再検討してもいいのではないか。

新型コロナ禍で浮かび上がった、都市集中による弊害。

自然災害による首都機能集中によるリスク。

今のままでは問題は山積している。

全世界が災厄に見舞われる今は、社会の根本を見直すいい機会だと思う。

次は、今の仕組みを見直した定住以外の選択肢を考えてみたいと思う。

 

大好評:シエロ教授の「暴論極論」のnote

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