【え?イジメられてた?】ライセンス藤原の自伝的絵本
お笑い芸人、小説家、役者、多彩な才能で活躍の場を広げているライセンス藤原(藤原一裕)。多彩な彼が自身初の絵本を手掛けた、「自伝的絵本」とは、どんな絵本なのだろうか。
絵本といえば、お笑い芸人から絵本作家へと転向したキングコング西野(西野亮廣)の「えんとつ町のプペル」がAmazonランキングで1位に輝くなど、記憶に新しい。
なぜいま絵本なのか。そして、ライセンス藤原が絵本を通して伝えたいメッセージはなんなのだろう。
社会が抱える問題
絵本のテーマは「いじめ」。昨今に限らず、年代を問わず、「いじめ」は人が集団で行動する、いわばひとつの社会、コミュニティ、において付き纏う問題だと言える。
「いじめ」はいけない。というのは、誰しもが周知の事実である。
しかし、社会で問題視されるのは、いつも「どんなふうにいじめられたか」の方法・手段になってはないだろうか。
と、ライセンス藤原は社会に問いかける。
どう生きる…これから
彼の絵本は、「いじめられてしまった人間」への想いを絵本にして届けているそうだ。
いじめられてしまった人がどうあるべきか。
これからどう生きるのか。
どのように心を持つべきなのか。
考えて欲しいと、彼は心から願っているのだ。
自分の手で届けたい
この想いでクラウドファンディングで絵本を作ることに決めた。
「社会問題である「いじめ」を、出版社を通してではなく、自らの手で皆様に届けたい」
クラウドファンディングに至った経緯を話してくれた。クラウドファンディングでの支援にも、サイン本やメッセージ付きのサイン本、なんと、今回の絵本プロジェクトにも関われる支援まであるので、是非、チェックして欲しい。
でも、なぜ「いじめ」をテーマにしたのだろうか。
ヒントは「いじめられた経験」
これが、彼が絵本のテーマを「いじめ」にした理由だった。取材をしていく中で、印象に残った言葉がある。
「いじめられていました」
と告白すると、あまりにセンセーショナルな感じがしてしまいますし、過酷な環境に置かれている人の気持ちを思うと、言い切れないところはあるのですが、僕も中学生のときに「嫌な思い」をしました。
先生にも言い出せず、親にも当然言えませんでした。
その後、父親の仕事の関係で転校し、その先で「空手」と「お笑い」に出会えたことで僕を取り巻く環境は大きく変わり今があります。僕はラッキーだったんだと思います。
僕のように環境が変わらない方々がたくさんいると思います。辛い思いを抱えたまま動けなくなってしまっている方々がたくさんいるとおもいます。
この絵本「ゲロはいちゃったよ」はそんな方々の背中を少しでも押すことが出来たならと思い描きました。と語ってくれた。
ゲロはいちゃったよ
絵本のタイトルは「ゲロはいちゃったよ」。タイトルに衝撃を受けると同時に、これまで、彼が経験してきた事を勝手ながら想像してしまい、このタイトルに重みと想いを重ねながら感じてしまう。
クラウドファンディングSILKHATにて、本文が公開させているので、少し紹介したい。
かぜひいちゃってさ、きもちわるくなって
ゲロはいちゃったよ
でもおかあさんがくれたクスリのんだら
きもちわるいのなおったよ
公園でね、みんなでかくれんぼしてるのに僕だけ入れてもらえなくてさ、
ゲロはいちゃったよ
胸のなかが痛くなって涙が出たけどクスリもらえなかったよ
僕の顔にはほくろがあってさ、
お父さんお母さんには『かわいいマークだね』って言われてたんだけど、
友達には『いつも大きな鼻くそつけてるな』って笑われて
ゲロはいちゃったよほくろが消えるみたいなぬるクスリはあるのかな
学校いくとさ、下駄箱の僕のくつが無くなってておかしいなと思って探したら、
ゴミ箱に捨てられててさ、ゲロはいちゃったよ、
ここまで読むと、皆それぞれで感じるものがあるだろう。全文読みたい方は、是非SILKHATで続きを読んでみてほしい。そして、支援してみてはいかがだろうか。
夏休み明けの憂鬱?
グラフを見れば、一目瞭然なように、2学期スタートの9月1日に、増加していることがわかる。
長期休暇後は、おおきなプレッシャーや精神的動揺が生じやすいようで、変化を把握して、学校や地域、あるいは家庭で温かく見守ることがより大切だという。
そして、そこに歯止めをかけるのが、絵本「ゲロはいちゃったよ」になってくれればという想いも彼がコメントにしてくれている。
「お疲れ様です。この度、二学期がスタートすると増えてしまう自殺を少しでも食い止めるため、自身の経験を生かして絵本を書きクラウドファンディングすることになりました!よろしくお願いいたします!」
この絵本が広がることで、どのようなことがこの社会におこるだろうか。
「いじめ」られた人がどう生きるのか、どのようなこころを持つべきなのか、をそれぞれの立場で知ることができるということ。
また、支援に携わった人や、本を手にした方が、幸せな一歩を踏み出すキッカケを作ったり、受け取ったりするということでもあるのかもしれない。
この絵本を通して繋がり、広がることが、社会問題である「いじめ」を解決する糸口に繋がっていくのだろう。
(unportalism編集部)