【直撃電話取材】辛坊治郎がリモートクラシックへエールを送る!
新型コロナウィルスにより疲弊するエンタテイメント。その影響はクラシック業界にも及んでいる。そんな中、ニュースキャスターでシンクタンク経営者でもある辛坊治郎氏が京都フィルハーモニー室内合奏団へ現在の窮状の電話取材を行い、今回その様子が同氏のラジオ番組「辛坊治郎 SundayKiss」で放送された。
クラシック業界の現状は惨憺たるものに
京都フィルハーモニー室内合奏団は1972年に創立し、今年で49年目となる。活動の柱としている学校音楽観賞会で延べ3000校、190万人以上の子どもたちへヴィオリン体験や、同楽団と一緒に演奏をするなど様々なアプローチで楽しい音楽を届け続けている。
辛坊治郎氏が尋ねると、現在のクラシック業界の現状は惨憺たるものだそうだ。公演が出来ないのはもちろんだが、国からの支援の手厚さには天と地ほどの差があると楽団員か項垂れるほど。
例えばドイツでは、音楽活動をする日本人女性ピアニストが給付金を申請し、数日後に5,000ユーロ(約60万円)がベルリン市から口座に振り込まれた事例などがあり、各国の様々な情勢があるものの、国によってのありようの違いが見て取れた。
そんな現状の中、練習もままならない状態が続いていたが同楽団は今回「リモート演奏」へと踏み出したのだ。
志村けん「東村山音頭」をクラシックリモート演奏
1969年に放送が始まったお笑い番組「8時だヨ!全員集合」の中で志村けん氏が歌う東村山音頭を同楽団が追悼と感謝の気持ちを込めてクラシック演奏を行い、今回スタジオで披露された。コメディタッチからクラシックへのブラッシュアップのクオリティに辛坊治郎氏や番組アシスタントの薄田ジュリア氏、加納永美子氏から感嘆の声が上がった。
しかし初めは、このような取り組みの是非については楽団員内でも様々な議論があったそうだ。
「リモート演奏によってプロとしての演奏クオリティを下げてしまわないか」
様々な懸念があったが、複数ビデオチャットの音質の良さに定評があり、リアルタイム収録が可能なオンライン会議ツールDingTalkLiteを使うことにより課題を解決し、緊張感の高まる中、それぞれがベストの音を目指して演奏して収録を終え、東村山音頭は奏でられた。
今回、様々な場所から音を重ね合わせ奏でらたれた東村山音頭。同ラジオ番組へ出演したヴィオリニスト森本真裕美氏は「年末までに1万人の奏でる音を集めて一つの動画にしたい」と語った。
日本中を巻き込む「1万人の東村山音頭」
スタジオで披露された東村山音頭を「プロ・アマ問わず1万人集めたい」と語ると辛坊氏は、その数に衝撃を受けながらも「やるんですね」と、にんまりする場面も。
更に辛坊氏は、5月が終わる頃には、同楽団の本拠地である京都府の緊急事態宣言が解除されるのではないだろうか、との期待をよせていた。最後に同楽団への様々な活動に対して「日本の文化のため、素晴らしい音楽のために協力してもらいたい」とエールを送り、このまま新型コロナウィルスによる影響が長期化するのではなく、日本中の在り方でエンタテイメントのみならず様々な産業への復興を強く望んで同番組の放送を終えた。
(UNPORTALISM編集部)