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【秋の報せ】季節の楽しみ方は意外と身近なところに

蒸し暑さから解放されたかと思いきや、肌寒さを朝晩で感じるようになった。春夏秋冬、日本の季節は移ろいゆらぎ多様な顔を魅せ、日本人を魅了してきたのではなかろうか。

それは、肌で感じる温度なのか、それとも視覚からくるのか、はたまた香りなのか、あげればキリがないだろう。人は本能的にそれらを併せ、五感で感じることで、季節という立体感で世界を捉えているのかもしれない。

意外と身近にある草花で季節を感じているのではないか、今回は身近な草花にフォーカスを当ててみたい。

 

今ではあまり歩くこともないであろう村道、遡れば殿様道路と呼ばれていたらしいこの道からはじまる。

 

緑生い茂る中を掻き分けると、椿が実をつけ、実りの秋らしい。

風に靡きながら笹の葉も秋の色合いに揺れる。

完熟で落ちたのであろう柿は、秋を彷彿させる実り具合。

参道の合間から見える景色は風情があり、ここから見た景色は時代や世代を超えて、どこまで続くのだろうと思い馳せたのかもしれない。

シロツメクサが花を咲かせる、足元10センチくらいにある美しい白い花は、見ようとしなければ見えない美しさがあるだろう。そして、四ツ葉のクローバーとして幸せな気持ちにしてくれる草でもある。

カタバミ、ハート型の葉っぱからクローバーと間違われやすいこの草は、日本の家紋を表す一種として用いられたそう。繁殖力が強い、一度根付くと絶やすことが困難から、家が絶えないに通じ、十大家紋の一つに数えられるという。

ホトケノザ、春の七草の仏の座とは違うから、なんともややこしい。小さい頃に花弁を抜き取って、蜜を吸っていた、なんていう方もいるかもしれない。もう一度言うが、食用ではないらしい。

10月の花といえば、やはり秋桜だろう。色のグラデーションに目が癒され、香りにまた癒されるシナジーにはお手上げだ。今見ごろを迎えている秋桜に足を運んでみてはいかがだろうか。

そして、なぜか夏の花、向日葵が顔を覗かせる。ライオンのたてがみのような力強さと風貌の、この花は温暖な気候であれば10月頃まで見られるのだそう。太陽の色に元気を分けてもらうのもありかもしれない。

普段はなかなか気づかないミクロの世界、見ようとしないと見えない世界かもしれないが、美しさはそこにある。それは、都会だろうが田舎であろうが変わらない美しさであるのは確かであろう。

意外とマクロの世界を支えているのは、小さな美しさが集まった縁なのかもしれない。

身近な自然と一つになる時間を作ってみてはいかがだろうか。

(unportalism編集部)

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