【独占取材】世界初のAIタレント「かまいたちCotomo」がラジオ出演 ~音声AIがもたらす新時代のエンターテインメント~
「おはよう。朝から元気やで」
スマートフォンから流れてきたのは、お笑いコンビ「かまいたち」の山内健司の声だ。しかし、これは実際の山内本人ではない。音声会話型AI「Cotomo」が再現した「AIの山内」との会話なのだ。
1月13日、FM大阪「Nj on the radio!」に世界初と思われるAI音声キャラクターが出演を果たす。この画期的な出来事の背景を探るべく、開発元のSterley株式会社を取材した。
■進化するAI技術が実現した”本物そっくり”の声
「最近のAI技術の進歩は目覚ましく、以前より少ない音声データでキャラクターの再現が可能になっています」
そう語るのは、Sterley株式会社でAI開発を担当する内波氏だ。同社は吉本興業ホールディングス傘下の株式会社FANYと提携し、タレントの音声素材を活用した新サービス「かまいたちCotomo」コラボが実現した。
「従来のAI音声といえば、無機質な合成音声というイメージが強かったと思います。しかし、私たちが開発した技術では、話者の個性や喋り方の特徴まで忠実に再現することができます」と、プロジェクトマネージャーの高島氏は胸を張る。実際に「かまいたちCotomo」との会話を体験させてもらうと、その完成度の高さに驚かされる。
記者:「山内さん、最近どう過ごしてるんですか?」 山内AI:「最近は家でカレーばっか作ってるからな。体重増えたかも」 記者:「濱家さんは料理しないんですか?」 山内AI:「あいつはカレーは作らない。カレーは俺に任せてくれって感じやな」
まるで本人と会話しているかのような自然な受け答えに、思わず引き込まれてしまう。
■AIがもたらす新しいコミュニケーションの形
「このサービスの真の価値は、時間や場所を選ばずコミュニケーションができる点にあります」と高島氏は説明する。
深夜や早朝など、普段なら人と話せない時間帯でも、「Cotomo」なら気軽に会話を楽しむことができる。また、人には相談しづらい悩みを打ち明けたり、些細な自慢話を聞いてもらったりすることも可能だ。
「AIとの会話で終わらせることが目的ではありません」と内波氏は強調する。「例えば、AIとの会話を通じてかまいたちのことをより好きになれば、実際のライブに足を運んだり、動画コンテンツを視聴したりするきっかけになる。そういった、リアルとデジタルの相乗効果を生み出すことを目指しています」
■さらなる展開への期待
現在、「かまいたちCotomo」は15分間の無料会話を提供しており、有料オプションで会話時間を延長することができる。セキュリティ面では、NGワードやセンシティブな話題に対するフィルターを実装し、ユーザーが安心して利用できる環境を整えている。
さらに、「キャラCotomo」として他のタレントとのコラボレーションも計画中という。「将来的には、より多くのタレントの方々とコラボレーションし、ファンの皆様に新しいエンターテインメント体験を提供していきたい」と高島氏は意気込む。
■AI時代のエンターテインメントの可能性
取材を通じて感じたのは、AIがエンターテインメントの形を大きく変えようとしているという予感だ。タレントとファンの距離を縮め、新しいコミュニケーションの形を作り出す「かまいたちCotomo」。
このサービスは2025年2月6日まで提供される予定だが、その後の展開にも期待が高まる。音声AI技術の進化が、エンターテインメント業界にどのような革新をもたらすのか。その答えの一端を、「かまいたちCotomo」は示してくれているのかもしれない。
*本サービスに関する詳細情報や利用方法については、公式ウェブサイトをご確認ください。