「菌活」のススメ。老舗漬物屋が挑む、変化を楽しむぬか床。
コロナウイルスによって、様々な事が変化を求められるようになってきた。
情報を仕入れようとしなくても、テレビやネットから流れてくるものの中に、変化している様子を少しずつ目にしたり、耳にする機会が増えてきたように思う。
いままで変化をしなくても問題のなかったジャンルのものが、強制的に変化を求められるようになってきており歴史あるものについても例外ではなくなってきたようにさえ感じる。
そんな中、創業300年の漬物屋「うまもん」の11代目が、「有機素材を使ったぬか床キットを世の中に広める」という熱い想いを抱き、新たな挑戦をスタートさせた。
うまもんとは。
山口県岩国市にある漬物屋。
日本古来の伝統技術を大切に守り、自然発酵法から生まれる自然の風味を最大限に活かした本格漬物を作っている。
「いいものだけしかつくらない」を掲げ、造りを人の手によって早めることなく、選りすぐりの原菜を時間をかけて漬け込むという手間隙を惜しまない漬物造り。
自社で生産しているからこそ、保存料を一切使わず自然発酵無添加本造りの漬物を提供出来ているのだ。
挑戦に対する想い
うまもんの11代目である中野百合子さんは、「家業を残したい」と東京からUターンしてきた。
戻ってからはぬか床や漬物を広めるべく、教室、コミュニティ、メディア等の運営をするなど精力的に活動されてきた。
リアルでの活動がメインだった中での、コロナウイルスによる自粛は彼女の活動に大きく影響を与えた。
ただでさえ、挫折率が「70%」ととてもハードルが高く思えるぬか床作り。教室の参加者でさえ、美味しく作れなかったなどを理由にやめてしまう人もいたほどだった。
そんな声を聞く度に「どうしたら続けてもらえるのか」という事をずっと考え、試行錯誤してきた事がようやく形になったのである。
菌と共に、、、「菌活」のススメ
彼女が代表を務めるTOCOTOというブランド。
「菌思考でいきる」をミッションに人と菌が発酵し活かし合う社会の実現を目指している。
菌と共に生きる事は、生きること、食べること、多様性、変化することを楽しむ姿勢を持てるようになると考え活動されている。
今回のコロナウイルスの中でも、歴史ある漬物屋さんが新しい挑戦を選べたのは菌と共に生きることの一つに「変化を楽しむ」というとても大切な要素が入っていたからなのだろう。
ぬか床を届けるだけでなく、ぬか床作りを通して大切な何かを知ることができるのかもしれない。
「うまもん」はどんな変化を遂げるのか楽しみである。
「うまもん」のクラウドファンディングでも「菌活」キットをアピールしているが、早々に目標金額に達成したという。(引き続き募集中)
https://camp-fire.jp/projects/view/302212
「菌活」という我々の文化には馴染みあることが新しい言葉となって、また広がる。そんな地方からの発信を暖かく応援していきたい。
(UNPORTALISM編集部:大田庸補)