これからは”会いに行ける先生”に価値を見出す
学校が臨時休業となってから、新学期を迎えました。
生徒がいない学校で仕事をしながら、これまで考えて来なかったことを考えたりしました。
例えば、
「学校の先生って存在する意味があるのか?」
こういう本質的な問いを考えていると不安になったりしますが、1つたどり着いた答えがあります。
これからは”会いに行ける先生”に価値を見出そう!
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一斉休校で高校生たちが気づいたこと
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一斉休校がきっかけで、高校生たちは下記のことに気づいたのではないでしょうか。
- 授業はオンラインで受けられる
- 自分のやりたいことに集中できる
- スマホでいろんな人と繋がることができる
「あれ?もはやわざわざ学校行く必要ない・・・?」
そう考える高校生が増えたと思うのです。
これは私にとって恐ろしいことです。
一斉休校が解除されて生徒が学校に来たとき。
「先生!わざわざ学校に来る意味って何です!?」
こう聞かれたら、パッと答えられる自信が私にはないのです。
一斉休校でも、オンラインで学べる環境や教材があります。
一斉休校で、興味のない勉強する時間がなくなりました。
一斉休校は友達と会えないけど、スマホを使えば簡単に繋がることができます。
わざわざ学校に行く価値って、そんなに高くないかもしれない。
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「学校来る必要ないじゃん!」と言われたあの日
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わざわざ学校に行く価値がなくなれば、今の仕事がなくなる!
そんなこと簡単には受け入れることができません。
これからの社会でも教員として必要とされる価値を見出さなければ!
自分で自分の追い込んで考えていたら、3〜4年前の授業を思い出しました。
その授業で、私は生徒に勇気を持って宣言したのです。
「Youtubeで勉強できる時代が来たぞ!」
教材研究をする際、私は学習系Youtubeを参考にしていました。
自分が授業するために参考にしていたのですが、あるとき気づきました。
私が授業するより生徒が学習系Youtubeを活用できれば、もっと効率的に学べるんじゃないか?
Youtubeで勉強できることを伝えたら自分の仕事がなくなるかもしれない。
そんな恐怖心もありましたが、生徒に思い切って伝えてました。
自分が良いと思った学習系Youtubeをいくつか紹介したです。
すると、生徒たちは叫びました。
「学校来る必要ないじゃん!」
「ですよね。」と思いました。
私が高校生でも同じリアクションをしたと思います。
生徒が学習系Youtubeの素晴らしさに沸き立つ中、ある生徒が冷静に言いました。
「でも、先生がいるからやるってある気がする。」
こう言われたとき、ここに学校の先生の価値がある気がしました。
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オフラインで想いは伝播する
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私が担任をしていたクラスに、大学を目指して頑張っていたAさんがいました。
最初は進学意識が低いAさんでしたが、ある日を境に大学進学を目指し勉強を始めました。
放課後もほぼ毎日残って勉強していました。
進路も無事決まったとき、私はAさんに聞きました。
「やる気になったきっかけって何だったの?」
Aさんは「べつにぃ。」と何も教えてくれません。
きっかけなんか特にないようで、そんなものかと思いました。
Aさんが卒業の日。
私に手紙をくれました。
手紙の中で、Aさんはやる気になったきっかけを教えてくれました。
先生まえに、「そんなやる気になったきっかけってなんなの?」みたいなこと聞いてきたけど、きっかけは全部先生だよ(笑)
Aさんの手紙より
先生が大学勧めたから、先生が色々世話してくれたから、それに答えようと頑張った。
こんな自分に期待してる人に初めて会ったから、結果出せたらどんだけ喜ぶんだろうと思って、そのために勉強頑張った(笑)
だから、良い意味でも悪い意味でも全部先生のせい(笑)
めちゃくちゃ嬉しいし、めちゃくちゃ怖い!
喜びと恐怖が入り混じった複雑な感情でした。
自分の想いはがゃんと伝播するとわかった喜びと、その影響力の大きさに恐怖を感じました。
これは学校を通じてのオフラインだからこその出来事だと感じます。
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”会いに行ける先生”に価値がある
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これから時代が進めば、学校に関わる多くのことがオンライン化される可能性があります。
しかし、私は上記の経験から”オフラインだからこそ”の部分を大切にしたいと思っています。
AKB48のコンセプトは”会いに行けるアイドル”です。
アイドルには会えないという常識を覆してくれました。
テレビを通して見ることができるけど、”わざわざ会いたい”と思わせる価値がアイドルにはあります。
きっとここにオフラインの素晴らしさがあるはずです。
わざわざ学校に行かなくても良い時代が来て、学校の先生の仕事の多くがオンライン化するかもしれません。
そうしたら、これまでほぼ毎日”会わなきゃいけなかった先生”が”会わなくてもいい先生”になります。
そんな時代になりそうな今だからこそ、”会いに行ける先生”としての価値を見出したい!
この考え方が合っているかわかりません。
でも、今はそう信じて新学期を楽しみます。
(都立高校教諭:島村学)