新型コロナ騒動から見る日本とフランス『教育力』の決定的な差
日本で公立の学校が一斉休校になって約3週間。
日本では教育を受ける権利を、取り上げられた子供も多いように見える。
周りから聞こえる声は
預かり保育や…
両親が仕事で不在とか、祖父母などが遠い所に住んでいる場合など
特例での預かり学校などが設けられている所もある。
ただ…子供達は、ひたすら教室で自習してるだけ。児童の多くが来ようとも『自習しかさせちゃダメ』だから、やる事が限られていて大変らしい。
特例の預かり学校では…
・プリントを新しく刷って渡すのはダメ
・学習ビデオ見せちゃダメ。
なぜなら…
学校に来てる子と、来てない子に差が出来てはダメだから。
日本の教育から…
"創意工夫"は、どんどん無くなってる。
横並び…そして、みんな同じ。
それが『平等な教育』らしい
一方フランスはどうだろう。フランスも、3月16日から学校を閉めることになったが"休校ではない"
教育は『遠隔で継続して行う』と発表
マクロン大統領の学校を閉鎖する発表と同日に、教育大臣の『Jean-Michel Blanquer (ジャン=ミッシェル・ブランケ)』は、以下のように発表している。
『これからの期間は、子供達が勉強できない期間ではない。勉強の方法が進化するだけだ。教育の続きを遠隔で行う』
学校閉鎖が決まった日の朝には、関係省庁で教育オペレーションの為の会議が開かれ…
既に閉鎖になった学校では、実施されているシステムで準備できている。
実験も兼ねてから進んでいる。
自宅にインターネットがない5%の生徒についても、大臣は早期の対応を約束し、パリ市では40万人の高校生に対し17万台のパソコンかタブレットを既に貸与、今回の学校閉鎖措置で"オンライン授業"が円滑に進められるよう更なる貸与の準備をしているらしい。
フランスでは3歳から義務教育なので…
3歳から大学院に至るまで、1200万人の生徒、270万人の学生、87万人の教師が16日からオンライン授業に臨んでいる。
また…マクロン大統領は、各企業にテレワークを認めることを要請済みだし、看護や医療などの対人援助に関する仕事に就いている人について10人未満の子どもの預かりができるようにしている。
16歳未満の子どもがいて、テレワークできない仕事には有給の休職期間を認め、新しく開設したウェブサイトで雇用者が申告するような仕組みにしている。
驚くのは、これだけではない。
教育大臣は「今後、テレビもラジオも新聞も教育的国家作りに参加することになる」と発表。
学校閉鎖2週目から、教育省が提携し制作したテレビ番組を、毎日午前中に52分間放映すると発表している。
その番組では8から12歳の生徒が勉強の復習ができるという。
先生からの伝達事項や、先生への連絡もアプリ上で行えるので、そのアプリを通して毎日オンライン授業が行われ、課題を提出できる。
素晴らしいのは…
先生にメッセージを送ると、より丁寧に学習できる内容を送ってもらえるシステムらしい。
オンラインシステムが未導入だったパリ市の学校には、学校閉鎖が決まった当日のうちに「教育継続キットへのアクセス」というオンライン授業に、アクセスする方法が書かれたメールが届くという。
今日、子供達には勉強プログラムの説明ビデオが届く。
フランス語、算数、手を使った作業、歌、ヨガなどが用意されていて、プリントアウトして使ったり、ビデオを見ながら学べる。
オンラインの教育プログラムは、
ビデオや絵が多用され、親がサポートしやすい配慮もされている。
元々、フランスには"フランス国立遠隔教育センター(CNED)"が設けられていて、幼稚園から高校までカバーされていて150万コネクションを同時に受けることができる。
教育省が運用しているデジタル学習スペース『ENT』というプログラムは、高校の80~90%で利用されていて、授業教材も『ENT上』でシェアされ、生徒はオンラインで課題を提出、メンバーはお互いサイト上で"双方向で"やり取りもできる。
恐らく…
このシステムも完璧じゃないかもしれない。
ただ…
明らかに国家としての『ビジョンや戦略』が感じ取れる。
日本の学校では「公平性を保つ」という名目のもと、優秀な教師たちが能力を発揮する機会を奪われ、子どもたちは教育を受ける機会を奪われている。
一方で、複数の出版社や研究機関などが小・中・高校生の自宅学習支援のため、様々な参考書や教材を提案している。
文部科学省のホームページでもこれら民間企業のサイトを紹介するリンク集を載せているけど、利用するかどうかは親の力量に任されているのが現状だ。
日本のやり方では…
むしろ家庭によって、収入格差などで格差がより開くなどの問題がでるかもしれない。
これをポジティブに捉えて、
教育を受ける機会の平等に取り組んで欲しい。
今回の新型コロナウイルス騒動で、日本政府の対応に様々な意見も噴出するなかで、国の対応を待つよりも、私たちがやるべきこと、アンポータルエデュケーションで出来ることがたくさんあるのかもと考えた。
(アンポータリズムエデュケーション編集部)
https://www.alertesactus.fr/ecole-a-la-maison-un-stress-test-pour-leducation-nationale-politique/