BLOG

ここに説明を入力します。
ここに説明を入力します。

  1. HOME
  2. ブログ
  3. 教育
  4. 【ポートフォリオ】日常の疑問を書き留めていく。大野先生の実践教育論。

【ポートフォリオ】日常の疑問を書き留めていく。大野先生の実践教育論。

【コロナで変わる教育】

三田国際学園の大野智久教諭が提唱している「ポートフォリオ」という学びを深める実践方法。大野先生に実際の教育現場や学生にどのような取り組み方で関わるものなのかその一例を伺った。


【日常の疑問から深める思考】


現在、「日常生活からの気づきや学びを増やす」ことを大きな目的として数人の生徒とポートフォリオの実践を積み上げています。
その中の一人の生徒のポートフォリオにこんな話がありました。

ゲームの広告にひかれる。

なぜか?

一つの理由として、「こんなん私でもできるよ」と思わせることと「音がいい、とか感覚がいい」って思わせること。

うまいな、と思う。

これってもしかしたら新しい取り組みを広げるときにも使えそう!

前のポートフォリオでも「写真にタイトルをつける」ということを実践してくださる人いた。

「自分にもできそう」という感覚は人に大きい影響を与えるのかも。

何かを広げるとき、相手に「自分でもできそう」って思わせられるような話だったりプレゼンを作った方がいいのか。

プレゼンで作るってよりはその取り組みの前段階に軽いステップを用意すればいいのか。

最近ゲームとかしないけど、YouTubeで広告を見てことを思い出した。ステップって大事。

「自分でもできそう」な魔法

このポートフォリオでは、一つの体験から、「自分にもできそう!」という感覚を抽出し、他の体験と関連付けてその意味を考察していっています。
まさに「帰納的な思考」ができていると思います。
さらに、そこに「できると思わせるためにはステップが必要」というのもいい気付きにもつなげています。
「スモールステップの課題設定」とか「足場掛け」という概念がありますが、その概念への気付きがあります。

「なぜゲームの広告にひかれるのか?」という日常の素朴な疑問から始まり、「ポートフォリオが人に影響を与えた事例」とつなげて、「自己効力感の重要性」という概念に一般化し、さらに、その具体策として「スモールステップ」や「足場掛け」につなげることができている、ポートフォリオだと思いました。

こういう具体的な記述とその分析の事例を蓄積し、ポートフォリオ作成による気づきや学びの素晴らしさを生徒とともに広く伝えていきたいと思っています。

大野智久:三田国際学園教諭

1980年茨城県取手市生まれ。東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了。大学では松田良一氏に師事。 都立高校教員として13年間勤務し、2019年4月より三田国際学園に勤務。 生物教育に関して、東京都生物教育研究会を中心に活動し、東京都日本生物教育学会、日本生物教育会にも所属。 「学習者中心の授業」の普及のために、個人のウェブサイトで教材等を公開したり、研修会で講師を務めたりするなどの活動も行う。 また、オプンラボによる、社会人と中高生をつなぐ「近未来ハイスクール」にもアドバイザリーボードとして参加するなど、「出る杭を育てる」活動を行なっている。

ポートフォリオで、気づくことまた、ポートフォリオ。すなわち、みんなで気付きの循環を楽しむことが、ポートフォリオの醍醐味。教える→教えられるの一方向の関係でない循環の連鎖こそが、これからの教育に求められる姿なのだろう。

(UNPORTALISM Education編集部)


関連記事