『 滋賀発!全国高校生10,000人に届け!びわこんどーむくんプロジェクト 』
保健の授業に見る多様な性の価値観
「セックスするとき、何%の人がコンドーム使うと思う?」と生徒に質問します。
すると、「え?エッチするときにコンドームつける男なんて、絶対おらんやろ」と真っ先に反応する女子生徒や、「おまえ遊ばれてるねん。男見る目ないからな~、オレは100%つける。好きな女を傷つけたくないし」と、いつも女の子の話ばかりしている男子生徒がドヤ顔で答えてくれます。
周囲の生徒たちは、そんなやりとりを聞いて、笑ったり、しらけたり、無反応だったりと様々な反応を見せ、教室の中には多様な価値観が存在していることに気がつきます。その場にいる誰もが「自分のもっている価値観が当然だ」という顔をしているのです、教員の私を含めて。
それほど、性についての”あたりまえ”は、今まで育ってきた家庭環境、接してきた人間関係、触れてきたネット情報、それまでの経験によって全く異なります。学校現場にいると、生徒たちの抱える様々な事柄に対応する中で、自分自身の性の価値観が問われる場面も数多くあります。
現代の子どもたちは ネットで性を学べるから大丈夫?
私はこれまで、保健の授業や性教育講演会でたくさんの中高生たちと「性と生」をテーマに語り合ってきました。今日までの20年間を振り返っても、高校生の段階でコンドームを知らない、実物を見たことがない生徒は一向に減ることはありません。だからと言って、避妊のためのピルの知識があるわけでもありません。
「現代の若者はネットで自由に性の情報にアクセスできるから教えなくても大丈夫」という世間の認識とは大きなズレがあると感じています。
本来、性について語ることは問題意識を持った大人だけがする特別な社会貢献ではないはずです。本当は家庭でも地域でも、性の話をと言いたいところですが、私自身も親から教えてほしかったと思うことはないので、まずはみんなで学べる場所として、学校からその文化を変えていきたいと思います。
今でも忘れない 生徒の言葉
小学生の頃から児童養護施設で育ってきた男子高校生が、コンドームが登場する性感染症予防の保健の授業を受けてこんな感想を述べてくれました。
「今日の授業、中学校のときに受けたかったわ。僕の施設の友達、ほとんど高校に進学しとらんから。みんなが知っといた方がいい内容やなぁって思ったんや。」
私にとってとても重い言葉が、ずしりと胸の奥に響きました。彼の言葉に応えるためにも、その後も私に出来ることを続けています。
「コンドーム」 が 日本の中学校教科書の付録 になる日
例えば、「マスク」と同じ衛生用品である「コンドーム」を、中学校の教科書の付録として標準装備することができたらどうでしょう。きっとタブー感や特別感は一気になくなり、それについてふざけることすらバカらしくなると思います。
そして、その環境が整った上での性の学習の展開方法は、対面で学び合える貴重な学校という場所を活かし、コミュニケーションの必要性や、自分の身体への興味関心、パートナーとの関係性について対話できる時間に変化するでしょう。「コンドーム」というアイテムをきっかけにして、主体的に多くのことを学んでくれます。これは今までの活動で実証済みです。
心理的なハードルを勝手に高くしていたのは、私たち大人の方でした。そして、子どもたちは普段から接する大人の態度から数多くのことを学びとっています。良くも悪くも、子どもたちは大人が思っている以上に素直で真面目、これが先進的な取り組みのひとつではなく、日本の性教育の標準になってほしいと願っています。
これからの未来に向けて
そのための第一歩が今回のクラウドファンディングです。
『 滋賀発!全国高校生10,000人に届け!びわこんどーむくんプロジェクト 』
https://camp-fire.jp/projects/view/411490
できるだけ多くの方々とこのプロジェクトを実現させたいと思っています。
ご支援&ご声援の程、どうぞよろしくお願いいたします。
(詳細については、プロジェクトページをご覧ください。)
▼「びわこんどーむ」を学校で配りたい!という教員や外部講師の方はこちら
(清水美春:UNPORTALISM Education)