第3回背伸び先生~高校生がオンラインで授業をやってみた~
【平時に戻った後もこのオンライン授業の体験は先生達の宝物】
歴代の先生達もスタッフに加わり進めた今回の背伸び先生。テーマは「部活の在り方」についての授業。前回、前々回の「化学」「美術」の授業とは違い、プレゼンに近い形の授業となった。
今回の先生役は愛知県の高校3年生山田純平くん。中学校から初心者で始めた吹奏楽。全国で賞をとるほどの部活から得たものが山田先生にはたくさんある。
そんな中、「今の学校の部活って今のままでいいのか」の疑問にぶち当たり今回先生役に立候補してくれた。
参加者にどんどん問いを投げかける山田先生。
参加者もチャットで思い思いに答えていく。
「勝利にこだわるのはどうなのか?」
「部活をやりきる事に意味があった」
いつになくチャットでの発信が熱くなる。
部活動という身近な課題。
皆が問題提起していく。
それだけ多様な考え方があるということ。
山田先生も地域クラブの活性化を提案し参加者もまた答えていく。
参加者を思う存分巻き込んでの授業。
その中で山田先生が感じたことを次のように述べてくれている。
「今回特に身に染みて分かったことは「他人の視点で見たものをまとめ上げる事の難しさ」です。
普段の学校生活からも分かっていたことなのですが、実際にまとめる当事者になってその難しさが痛いほどわかりました。
部活は教科と違い人それぞれが異なる経験やそれに対する思いを持っているので「部活動」というテーマで授業をするのは本当に難しかったです。
しかも私が50分間もの大作を作ったのはこれが初めてで、とてもいい経験になりました。
本番では、高校生から現場の先生まで様々な方が自分の思いをチャットに打ち込んでいただき大きく盛り上がっていました。
私の知らない専門的な知識や、現場からの生の声が聴けてとても勉強になったとともに、私の授業によって参加者の方に部活動について考えさせることができた事を嬉しく思いました。
これをきっかけに、地域のクラブチームが活性化し中高生の多様な学びの場が損なわれることの無いようにと願っています。
最後に、リハーサルの中で運営の先生方や前回、前々回の背伸び先生に様々なアドバイスをいただき、とても勉強になりました。確実に今まで作成したプレゼンの中で最高のものができたと感じています。とてもいい経験になりました。ありがとうございました。
また、今回の授業を「おもしろーい!」と言ってリハーサルの場を設けてくださった中学のときの顧問の先生、クラスの連絡で背伸び先生を宣伝していただいた高校の担任の先生、お昼休み中に机を囲んで即興リハを聴いてくれたクラスの友達、実際に授業に参加してくれた友達にもお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。」
周りへの感謝の気持ちを忘れていない感想。
支えてくれた人がたくさんいたというのは山田先生が愛されている証拠。
気持ちが暖かくなった。
また、前回に引き続き司会は歴代背伸び先生。
第2回背伸び先生須田道成くんが頑張ってくれた。
司会なんてすぐできると思ってたそう。
得たものも多かったようだ。
「前回、背伸び先生で「美術」の授業をさせてもらいました。
ところが、その授業をやり遂げたことで自信過剰になっていたようです。
今回司会を務めるに当たって司会など、とるにたらない役だろうと一笑に伏しておりましたが、後にこの愚かさを後悔する羽目になってしまいます。
スライドに書いてあることを説明するだけなのに、噛み砕いて説明しようとすると、なかなかスムーズに言えません。事前にスライドを読み込んでおけば…と悔やまれました。 授業中に、自分の当てられる問題を必死で先回りして調べる気持ちがよく分かりました。
司会ってなかなか難しいです。
部活動に強い関心があり、山田先生と同様に一言を呈してやろうと来てくださった方が多かったでしょう。そんな中で喋り通すことができた山田先生はどんな形であれ凄いですし、貴重な経験です。 彼の提示した問題が皆さんに火をつけてくれたことで、つらつら聞いていた僕にとっても鮮烈な意見が多かったです。身近な問題に気付き、こねくり回してみることの重要性を再確認しました。 司会としてこのイベントを俯瞰してみると、背伸び先生を務める高校生達は「ある教科に対する誤解を解く」革命児が多いです。 逆に、例えば数学の微積分を愛している変態(好い意味です)にも来てほしいなぁ、と思ったりします。」
先生だけじゃなく、役回りが変われば感じる事、気付く事も違ってくる。
先生経験者も新たな発見ができた。
質疑応答進行役は第1回の先生であり前回の司会でもあった山本花香さん。
流石一番の経験者。
落ち着いた進行だった。
『今回は質疑応答の場で関わらせていただきました。自分は質問されるのが好きなので、質疑応答の時間も同じように好きな時間の一つでもあります!
仕事とすればコメントをそのまま読んで山田くんに聞くということしかできなかったので、もう少し良いやり方があったのではないかと振り返りの最中。この進め方だと私のいる意味がなくなってしまう…。どうすれば「先生以外に進行役のいる意味」が出るのか、いい機会をいただいたので考えようと思います。
また、リハを聞けたのはすごくいいことだと思います。アドバイスを考えたり、一度完璧に参加者の方の立場になって見れたので、もし次回もリハに参加できたらしたいと思えました。』
今回は計3回のリハーサルをして、司会、進行役の二人も積極的にアドバイス。
大人達の助言もあったがそれぞれの役割を果たし、色々感じてくれたように思う。
スムーズに進行したり、分かりやすく授業進めるのが一番だろうけど、まずやりたいと手をあげ、思いのあるテーマを授業していく。
その先生の思いに参加者は引き込まれて活発なやり取りが生まれたように思った。
次回は授業という枠に囚われず、放課後をイベントにしてしまうのも面白そうだ。
(編集:UNPORTALISM Education早川和美)