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国家公務員のキャリア教育研究家橋本賢二と小学6年生200人がリーダーについて考えた~初の小学校講演でみえたもの~

人事院(国家公務員)で働く自称キャリア教育研究家の橋本賢二さんが埼玉県坂戸市立入西小学校で6年生クラスにて昨年12月にリーダーについての講演を行った。6年生は小学校最終学年。小学校のリーダーでもある。子ども達はリーダー像を今までどう考えていて、講演後どんなことに気付いたんだろうか。

以下、橋本氏より授業をした記述を紹介する。

小学生を対象にした講演は初めてだったので、前夜まで伝え方などにすごく悩みましたが、小学生の身近にありそうな事例も交えて考えてもらいながら、伝えたかったことは2つ。

①リーダーは役割を果たす

引っ張るだけがリーダーではない。役割に注目して、自分で役割を引き受けるのであれば、それはリーダー。

②リーダーは行動を決める

様々な例から正解っぽいものを探す「判断」よりも、正しいと信じることに決める「決断」の方が大変。判断で行動を決めるだけではなく、正しいと信じることを決断できるリーダーになろう。

後者の方は時間をかけて考えてもらいましたが、大人でも難しいことなので、最後に「どうすれば決断できる人になれるのか」と問うと、子供たちから「自分に自信を持つ」「勇気も持つ」「できることを増やす」など、逞しく心強い言葉がでてきました。

そんな言葉を拾いながら、勉強や運動や日常生活の大切さなども伝えたつもりですが、子供たちの心に何かが少しでも残っていれば幸いです。

小学校で講演してみて気付いたこと

6年生5クラスを2限から6限まで順番に回って同じ趣旨の話をしましたが、クラス毎に個性があって雰囲気が異なるので、進め方や話し方はそれぞれで若干変えました。そういう対応ができるのもライブの良さも感じましたが、これを毎日やるとなるとプロしかできないということも痛感しました。

給食や掃除の時間を挟みながら2限から6限まで登壇しましたが、普段使わない筋肉を使ったので、帰りの電車では思いっきり寝てしまいました。日々子供たちと向き合う先生方の苦労を少しだけ体感できた気がしました。

30人学級が話題になっていますが、入西小の6年生は1クラス38-39名で40人学級です。今の教室の仕様で40人学級だとかなり手狭で、子供たちの机も様々なものがぶら下がっているので教室内の巡回も窮屈さを感じました。ICT活用やアクティブラーニングをより効果的に進めるには、ハードとしての学校そのものの作り方も含めた議論が必要だということを痛感しました。

今回はPCからPPTのスライド投影で講演しました。教室にある50インチ(?)のモニターはPTAからの寄贈品でした。PTAも学校備品の充実に貢献するのはステキだと思う反面、こういうところに予算を割けられない行政のもどかしさも感じました。

入西小の学区はかなり広く、遠い子供は1時間かけて登下校しているとのこと。通学路には田んぼを抜ける道もあり、日が暮れると暗くなります。この時期は日照も短いので、特に早く帰すように努めているとのこと。登下校1時間なので、朝は7時には集合するそうです。早起きにはなりますが、なんとかならないものか…。


子ども達のエネルギーや吸収力に脱帽され、小学生のスゴさを感じた橋本賢二さん。また小学校の現場では色々感じられた事も多かったようだ。

以下は講演後の6年生達の感想。熱が伝導していることがわかる。


・自分が正しいと思うことを決断して実行したい

・働くとは何か、どんなリーダーがいいのか心に残った

・判断するリーダーではなく決断するリーダーになりたい

・みんなが反対しても自分を信じて決断したい

・自分の役割、人のためというところが感動した

・判断と決断の差について考えることができたので生活でも意識したい

・もし決断しないといけないことがあったらよく考えて勇気を出して決めたい

・何事も世のため人のためと思って行動したい

・人のためになるように決断をして自分が正しいと思う道を進みたい


小学校6年生達にリーダーとしての意識が伝わってちゃんと気付き、色々感じている。頼もしい感想の数々。自分たちで考えることができたようだ。

子ども達だけじゃなくきっと大人にもたくさんの気付きがあっただろう。

新しいことこそが子供たちの大切なエネルギーになる

埼玉県の坂戸市立入西小学校は地域では在校生1000人を超えるマンモス校。コロナの中でも様々、積極的な取り組みを展開しているが、今回の取り組みについて山下揺介先生にお話を伺った。

「2学期の外部講師は橋本さんで6人目でしたが、判断と決断の話は、子供だけではなく教師側も大変勉強になりました。
校長が放課後職員室でその話題を他の職員にもしていたのが印象的でした。
周りから批判されたとしても決断できる勇気を持ち続けたいと思った授業でした!

子供たちがこれから生きていく社会は答えのない世界です。何が正解かわかりません。そんな中でも、自分の頭で考え決断できる大人になっていってほしいと思います。」

どんな講演だったのか実際にお話を聞いてみたくなった。子ども達へのキャリア教育は大人にとっても必要なこと。unportalism educationでまた新たなイベント企画をすることとしよう!

(編集:unportalism education編集部)

橋本賢二 キャリア教育研究家

2004年中央大学卒。人事院にて企画法制課、人材局企画課、給与局給与第一課にて勤務。その後中央大学公共政策研究科非常勤講師として勤務後、経済産業省経済産業政策局産業人材政策室を経て現在は人事院人材局企画課に所属。独立行政法人経済産業研究所コンサルティングフェローとしても活躍中。主な著書『我が国産業における人材力強化に向けた研究会報告書』経済産業省、2018(共著)

山下揺介(埼玉県坂戸市立入西小学校)

1984年埼玉県坂戸市生まれ。 県立川越高校→東京学芸大学教育学部障害児教育学科 大学休学中にオーストラリアの特別支援学校においてJapanese dayを企画。 卒業後、埼玉県小学校教員として勤務。 特別活動、体育、キャリア教育を中心に活動。 現在は、1000人を超える学校の学年主任として、各教科単元に企業や地域などの人材が関わることで『公立学校と社会がつながる授業』を実践中。 教師同士がつながり自己実現できる場『みんなの職員室』発起人。

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