
アンポータリズムエデュケーションが教育対談イベントを開催!テーマは「オルタナティブ教育」
2025年4月5日、昭和女子大学附属昭和中学・高等学校にてアンポータリズムエデュケーション主催の教育対談イベントが開催された。大学の入学式が行われている傍らで、土曜日の静かな校舎に現職の教員をはじめとした関係者が集まった。
<昭和女子大学附属昭和中学・高校はこちら> https://jhs.swu.ac.jp/
対談イベントは、元読売テレビの西田二郎氏のオープニングスピーチから始まった。数々のテレビ番組の定番コーナーを自らの手で作り上げてきた経験から、教育に関わらずさまざまな現場でイノベーションが求められる昨今の風潮について、「これがイノベーションだと言い切れるものがイノベーション」「ちょっとした変化や違いをイノベーションと捉えられるかがポイント」などと言及した。

そうした話から次に続いたのが、ゲストと西田氏による対談。ゲストは、元私立小学校の教員で、現在はオルタナティブスクール「ヒロック」を創設し、代々木校の校長を務める五木田洋平氏と、小田急電鉄の社員で、小田急電鉄AOiスクールというオルタナティブスクールを提案し立ち上げた別所尭俊氏の2名。オルタナティブスクールの経営者という点で共通していた両者に対し、その立ち上げの背景や苦労、現在の子ども達の様子や学校課題までさまざまなテーマについて対談を行った。


対談の中で共通していた両者の課題感は、学校以外の学びの選択肢が限られていることだった。日本において、いわゆる一般的な学校に合わなかった子どもの居場所は未だ多いとはいえない。学びたい意欲もあれば、好きなこともある。しかし、自分のペースでそれができないことで適応が難しくなってしまう子どももいる。そうした子どもの可能性を信じ、伸ばしていくことが社会全体で必要だという点で一致していた。
また、ゲストが運営しているようなオルタナティブスクールはまだまだ認知されていない現状もある。「現場の先生、子ども、保護者にそうした居場所があることを伝えていくことが必要」だと別所氏は語った。また、何かしらの障害を抱える子どもが受ける二次障害を無くしたいと語る五木田氏は、「子どもへの教育効果は、良い教員チームであればあるほどそれが高いことから、コレクティブエフェカシーが重要」「良い教員チームを作るには、教員同士の相互理解に基づく対話が必要」と語った。

参加者からの質問も多数飛び交い、気づけば2時間が経過。本イベントは何かの広報・告知のためではなく、運営がただただ「大人が集まって教育についてみんなで語り、学びたい」という趣旨で開催された。まさにこの場がオルタナティブであり、さまざまな立場の人間が結合するイノベーティブな場となっていた。
日本の教育は変わりつつある。しかし、まだまだ社会や子どもの変化に追いついていない部分もある。長年培ってきた学校教育の「当たり前」を押し付けるのではなく、さまざまな選択肢があり、子どもが自らそれを選べるような世の中にできれば、個性を発揮しながら生き生きと過ごせる子どもが増えるのではないか。そのような可能性を感じる対話イベントが実現した。
<ヒロックはこちら> https://www.hillock-primary.com/
<AOiスクールはこちら> https://aoischool-odakyu.com/

(Unportalism Education 編集部)