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森本裕子(埼玉県立高等学校教諭)

1988年兵庫県神戸市生まれ神奈川県横浜市育ち。明治大学農学部農芸化学科を卒業後、埼玉県内の私立高校で5年間勤務し、現在は埼玉県立高校で勤務。担当教科は理科
4年間の夜間定時制高校での勤務経験の中で教育の本質と向き合い、低学年からのキャリア教育が大切であると考えるようになる。
総合的な探究の時間等を活用し、外部連携授業を取り入れたキャリア教育を実践中。
2020年4月で、教員10年目を迎える。

【教育は大変化時代】答えがでないで当たり前の今、答えを出さないで生徒に接するこれからの先生に必要な素養とは?

 

「教育の本質は夜間定時制にあった」森本裕子先生が行ったキャリア教育の話。

 

・定時制の生徒たちへの想い
定時制の生徒たちの多くは様々な事情を抱えており、
自己肯定感が低い
自分に自信が持てない
という傾向にある。

そういう生徒たちにこそ、
色々な生き方があっていいんだよ
というメッセージを送りたい。

自信を失くした経験を若くしてしているからこそ、伸びしろが大きい。
私はそう確信している。

・定時制高校で教えて見えた教育の本質
2011年4月
私立高校での勤務開始。
大学4年間での塾講師の経験から年下の子と話すのが楽しいと感じ、ほぼ気まぐれで先生になった。
教育に対する信念など何もなかった。

5年間、生徒たちに助けられながら様々な経験を積んだ。
多くの雑用を通して学ぶことも多かった。
たくさん怒られた。
とにかくたくさんのご指導を頂いた。
忍耐力がつき、強くなった。
教員生活の土台ができた。

2016年4月
埼玉県立夜間定時制高校へ。
(1学年1クラス制)
教員数は、1ケタ。少人数。
初任で、修学旅行学年の担任を持った。
2年後の進路を見据えた指導をしようと4月当初から個別面談を繰り返すものの、まったく決まらず。
クラスのやんちゃな生徒たちとウマが合わず、苦戦。

2017年4月
卒業学年になっても、ギリギリまで進路を決められずにいるクラスの多くの生徒たち。
きちんと自分の進路と向き合おうとしない生徒も少なからずいた。

初めての就職指導。そして初めての進路指導部、初めての進路指導主事。
訳分からぬまま、必死に進路指導をした。
生徒たちの将来を考え、真剣に向き合った。
生徒たちの志望する会社には、全て足を運んだ。
そこで、初めて企業側の気持ちを知ることができた。
とても勉強になった。

2018年3月
初めて卒業生を出した。
全員卒業は難しいだろうと言われた学年を全員卒業させた
進路云々の前に、きちんと卒業させることの大変さを思い知らされた。
また、一度進路を決めたのにも関わらず、自ら辞退してしまう生徒もおり、色々と考えさせられた。

進路については、
就職:進学:その他
= 3:1:2
の割合だった。

2018年度
引き続き、進路指導主事を務め、
『体系的な進路指導』を確立。

2年間の進路指導主事を経て、
『低学年からのキャリア教育』が大切
という信念が芽生える。

そのためには、外部の力が必要不可欠だと確信。
外部連携授業の実施に踏み切る。

不思議とその頃から人脈が広がっていった。

当時はまだ、
『キャリア教育=卒業後の進路』
という認識。

2019年度
教務主任を務める。進路指導部にも引き続き所属。
総合的な学習(探究)の時間を活用し、外部連携授業を通じたキャリア教育を実現。

今年度はとりあえず外部連携!
ということで、学校に新たな風を吹かせた。

外部連携を通じて教員側もだいぶ勉強になったようで、
今後も新たなことをやっていこう
という勢いが増している。

私自身も、大変多くのことを学ばせていただいた。
色々なお話を伺っていく中で、
『キャリア教育=生徒たちの生き方や考え方を良くしていくもの』
という認識に変わった。

引き受けてくださる方々ありきの、外部連携。
本当に感謝の気持ちでいっぱいである。

おかげさまで、確実に『良い学校』になってきている。

2020年度以降は、2019年度の反省点を活かして『体系的なキャリア教育』を目指す。

企画委員会で決めた
【4年間で何ができるようになるか】
(夜間定時制高校は、4年間のカリキュラム)
という学校の目標を各学年の目標に落とし込み、学年ごとでプログラム化する。縦割り。

これを主に総合的な学習(探究)の時間で実施。

また、総合的な学習(探究)の時間の活用について、

・キャリアパスポートとの連携(進路指導部発案)

・外部連携授業を含めた授業内容の振り返り&アウトプットを次の週のLHR(ロングホームルーム)で行う(教務部発案)

・『何もないときこそ個別面談が大事』ということで、定期的な個別面談をキャリア教育の一環として実施(生徒指導部発案)

など、生徒一人ひとりによりフォーカスした指導をしていく。
各分掌が連携し、総合的な学習(探究)の時間をより意味のあるものにしていく。

本当の意味での
『低学年からのキャリア教育』
が叶うことになる。

総合的な探究の時間の発表会については、情報や国語表現の授業とコラボしてもいいのではないかということに。

これぞまさしく教科横断。

今年度の
とりあえず外部連携!
が、いい感じでたたき台になり、
来年度から、さらに意味のあるものになっていく予定である。

という具合に、私の信念が徐々に確立されていき、周りの先生方にも浸透していった。

その中でさらに、

生徒たちには、とにかく、これからの社会を生き抜く力を身に付けてほしい。
学校現場全体でのキャリア教育の充実を図りたい。
と強く思うようになり、
私の信念がさらに進化している。

関わってきた生徒たちのおかげで、変われた。
気付けば、生徒たちに成長させてもらっていた。

先生って何なんだろう。
ある意味生徒たちが先生ではないか。

この4年間で、
『生徒と共に学ぶ』
という言葉の本当の意味が分かった気がする。

また、
『与えられた環境が人を成長させる』
ということを身を以って実感した。

夜間定時制高校では、4年間のうち、3年間も責任あるポジションについた。

私自身、元々責任感があまりないタイプだったと自覚している。
誰かがやってくれるだろう
という甘えがかなりあった。

しかし、
自分が動かなければ何も始まらない
という究極の状況。
自分なりに考えて行動し、突っ走ってきた。
いつの間にか、責任感が芽生えていた。

かなりしんどい4年間だったが、私自身の今後の教員人生の大きな大きな糧となった。

今は、キャリア教育を教科指導でも意識的にできないかと考えている。
現在は、芸術分野とコラボできないかと考え中である。
芸術分野こそ、生きる力そのものだなと思う。
芸術=自己表現
表現するために考える。
考えたものを表現するために判断する。
表現力、思考力、判断力。
これらが一気に身に付く。

理科の授業で、
『キーワードをイメージする力』
を付けさせようと試行錯誤中である。

授業の最初と最後の5分間を大切にしている。
最初のイメージが最後どう変わったか。
ふり返りの時間がとても大事だと感じている。

とりあえず、授業の冒頭で生徒にキーワードをイメージさせて、そこから出てきたものに沿って説明を加えていくことを試してみた。

その辺は、改善の余地が大いにあるので、今後頑張りたい

教科指導力を高めることが、次の目標である。

4月から、新しい全日制高校での勤務が始まる。
今までの経験を活かせるところは活かして、
気持ち新たに頑張っていく所存である。

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