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現役中学校教諭が語る!「バズった」先生のイマドキ教育とは−。

2021年9月12日に第1回アルムナイラボがオンライン開催された。

アルムナイラボとは、TI(ティーチャーズイニシアティブ)で学んだ仲間たち(アルムナイ=卒業生)が、その後に続く自らの探究について共有し、再び学び合うことで、さらなる創造を生み出すためのプラットフォーム。

今回はスピーカーとして登壇された青野 祥人(あおの よしと)先生(東京都中野区立中野東中学校 国語科教諭/TI3期生)のお話。

青野先生は、社会人ラグビー選手として「富士ゼロックス」で13年間勤務し、2017年に中学教員に転身した。教員生活を3年送り、新しい環境に慣れてきた頃、新型コロナウイルスが蔓延した。そのような状況で行ったICT教育の活動についてYahoo!記事に掲載され注目を集めた。いわゆる「バズった」先生だ。

(記事はこちら:休校中に授業動画500本作った公立中の“奇跡”、新卒から60代まで全教員の「学びの空白を作らない」戦い 「休校を失われた期間にしてはならない」 – INTERNET Watch (impress.co.jp)

スピーチされたテーマは、記事のお話の続きで「Yahoo!ニュースのその後」。

「緊急事態宣言の中のGoogleサービス導入・1人1台iPad、今、何が起きているか。」

中野区が教育現場でICT機器の導入に踏み切った中、実際に青野先生が授業・クラス・学校行事で、Googleのサービス、YouTube、ビデオエディタ(動画制作ツール)を中心に用いて活動し、先生が発見された実践での使い方や活動を通して起こった「面白い」現象について教えてくださった。

今回は、実践された活動の目的と、活動内容・青野先生の考察をまとめた。

「休校中に子ども達とのつながりを作りたい!」

→担任のコラムをGoogleストリームにて毎朝投稿した。

(コラムはこちらhttps://note.com/yoshi10everyday/m/m94551173c2d0

現在も行っているそうだが、毎朝各担任が、1日ごとに何があってどう感じ、生徒たちにどんなことを感じてほしいかをコラムのような形式でGoogleのストリームにて発信する。

青野先生の感じた効果

・発信することによって各担任の視点が分かる。

・どういった言葉でコラムを書いているかが勉強になる。

・自分の思いを子ども達に伝えることで、子ども達がリアクションしてくれ、休校中でありながらも距離が近く感じられる。

「新しいチャレンジ」①

→TV制作会社の方を招き講義・CM作りを行う

生徒たちは校外学習を行った後、動画のシナリオを企画し、実際に現場で撮影を行う。その後、動画の編集を青野先生が担当し、完成された動画について討論する。最終的にTV制作会社の方にも披露する。

青野先生が感じた効果

・単純な校外学習だけじゃなく、活動をプロジェクト化することによって参加者全員が楽しくなり、面白い動画がたくさんできた。

「新しいチャレンジ」②

「競争と共創の融合で、全ての子どもにとって楽しい体育祭を!」

→体育祭の企画・運営を子どもたちに委ねる

体育祭が学年別でしか行えない状況。教師はオブザーバー参加のみで、競技・ルールに至るまで全てを子ども達に任せ、新しい競技をどんどん作成した。本来ならば、行進から始まる体育祭であるが、それも廃止。また、競技のサポートもボランティア制にすることでやりたい生徒がサポートする体制を取った。

実際に行われた競技例として「Uber Eats」をもじった「Uber “East”」(中野東中学校の“東”)というイマドキで斬新なゲームが生まれたという。

青野先生が感じた効果

・今までは、運動の苦手な生徒から「体育祭が嫌だ」という声もあったが、体育祭を終えると運動のそんな生徒達でも楽しめる体育祭になったのではないか。

「想いを持った生徒の支援」

→中止になった合唱祭の実行委員を、クラスの「思い出作り活動」のプロデューサーに任命

 合唱祭が中止になり、実行委員になった生徒の想いが取り残される状況となった。青野先生は、合唱祭の中止の速報を受けるとすぐに実行委員と相談し、学級最後の学活を「みんなが感動する」プロジェクトの企画を子ども達に任せた。最終的に、思い出や自作コントなどを集めたエンドムービーの作成と上映を子ども達で行った。

青野先生が感じた効果

・合唱祭は実施できなかったが、思い出を作ることが出来たのではないか。

「手段を子どもに委ねた表現活動」

→国語の授業で、プログラミング教育

キャッチフレーズを考え広告を作るという国語の授業で、表現するにあたって使えそうものは何でも使ってよいという設定したところ、ICTツールを有効活用し、ホームページを作成する子ども達が現れた。

青野先生が感じた効果

・大人の想像を超えたものすごい広告が出来上がった。学びの広がりを体感。

 などなど、今回の記事では書ききれないほどの活動を実践されている青野先生。先生の活動の一部や考えは、Facebookにて公開されている。((20+) 青野 祥人 | Facebook

 また、TIやアルムナイラボには青野先生をはじめ、より良い教育を目指し画期的な活動に取り組まれている魅力的な先生達がたくさん在籍されている。「イマドキ教育を追い求めたい!知りたい!」といった方は是非一度コンタクトをとってみてはいかが?

編集後記

現在も、様々な活動を行われている青野先生だが、子どもに委ねる教育とICTツールの活用で、学びの広がりを恐ろしいほどに感じられているという。

子どもに委ねることで、子ども達は「俺達でもできるじゃん!」という風に自己肯定感が向上し、「もっとやりたい」と自発的になった。特に思い出ムービー作成では、「自分たちで動画を作って、先生には最後に見せたいから寄ってこないでください!」といった発言も受けたという。子どもにとっても教師にとっても相乗効果のあると感じられたという。

また、ICTツールの活用は自己表現や才能の発掘チャンスの可能性が広がるという。確かに、ツールの使用が苦手な生徒もいるが、得意な生徒は才能がどんどん発揮できる。

GIGAスクール構想の実現に向けて、ICTツールの導入や普及は非常に大きな可能性を秘めているだろう。青野先生は、現代の子ども達は「ICTネイティブ」であり最新ツールの使用を規制するよりもどんどん任せて使用させてあげ、大人の想像を超えるような才能を見つけていってほしいと願っている。

筆者の私は大学3年生であるが、中学生の頃LINEやYoutubeの普及が増えてきた。当時は、SNSが関係した殺人事件が発生するなどICTツールに対する懸念が多く学校からスマートフォンを持たないように規制された思い出がある。しかし、青野先生の活動を知りICTツールが教育でのポジティブな可能性を大きく秘めていることを確信した。これからの子ども達には、メディアリテラシーを持ってイマドキを更新し続ける教育がバズるのかもしれない。

(Unportalism Education 編集部 松岡広人)

 

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